これは、地獄の刀。

使おうとするなら、どうぞ、一歩一歩、ゆっくりと...

地獄の門へ

 

 

 

* * *

 

 

サッ、サッ

風が吹く度にそびえ立つ竹が葉を揺らし、爽やかな音を立てる。凛とした月光がすみずみまで照らし、ところどころに積った雪を反射した。

 

 

ザクッ、ザクッ

少し違う、重々しい足音が完璧な静寂に入り込んだ。

 

サーッ

突如風が大きくなったかと思うと、鳥でもない、夜行性の小動物でもない、二つの影が目も眩むほどの速さで近づいては離れ、離れては近づいた。

 

骨が軋む、荒い息、着物、袴が風になびく音。さまざまな音が混ざった。

常に鉄器の打ち合う音が響き、銀の刀身が雪よりももっと月光は跳ね返した。二本の刀が伸び、刺し、数千もの光の束にも見えた。

 

少しばかり経つと、まぶしい紅が散り、潔白な白雪を染めた。

 

 

カラン

刀を鞘に収める乾いた音がし、この戦いに勝った一方が、無名の死者に背を向ける。

「あんたも後二十年くらいしてまたこの泥梨刀を奪えにくれば、私と互角に戦えただろう。」

そして近くに転がっている細長い木の箱を愛おしそうに絹の布で包み、抱え、竹林から出ていった。

 

 

凛とした月光がすみずみまで照らし、今は紅の斑点がついてる雪を反射する。

 

サッ、サッ

風が吹く度に竹の葉が揺れ、爽やかな音を立てる以外には、ここは完璧な静けさだけが流れていた。

 

 

 

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