早くも学校での最後の一年
此処では終止符を打つ。
あたしの夢へとあと一歩

六年にもなれば、気になるのは何番隊所属になるかだ。どこの隊でも、差はあるが、入隊試験のハードルは高い。
それに向けて、六年のほとんどは実戦だった。

幸も、黎明も、斬魄刀を手に入れた。
幸のは澪標(みおつくし)で、流水系。
黎明は炎熱系の豪炎(ごうえん)。
あたしも含めて、それぞれのレベルは高かった。

あたしは鬼道と瞬歩が得意だ。得に鬼道は八十番台の詠唱破棄も可能になった。白打と斬術は並だった。

最近、不思議なことが起きた。
如月が、時々、この世界に実体化して出るのだ。
先生達は卍解の一歩手前だと大変驚いた。
無意識のうちに如月の具体化が出来るようになったらしい。
でも、あたしは入隊前の卍解習得を拒んだ。
あたしは、始解だけでどれだけやっていけるか試してみたかった。
それも、現実の世界で。

この日、実戦で、あたしと幸は手合わせすることになった。
「開花せよ、澪標」
「夕鳥で目覚めろ、如月」
ここからが攻防戦だ。
あたしは幸の水を凍らせることもできたし、反対に幸はあたしの氷を砕けず溶かすこともできる。
「水華」
幸の技の一つだった。水を地面に吸収させ、それを無数の噴水のように、発射させる。穏やかに見えて、実は水の一滴一滴が小さな刃だ。優雅で美しいのに、殺傷力がある。幸らしいとあたしは思ってる。
「一曲 霜花」
あたしの防御法。霜みたいな薄い氷を作り、そこに霊圧を一気に溜めて相手の攻撃を吸収する。それに使われた霊力があたしのものとなるのだ。

あたしの氷を使っての攻撃、二種類しかない。
二曲 名残雪:雪を降らせて、それに触ったものの全身を凍らせる。もちろん、それを力ずくで割らしたら、幻術系登場だ。
三曲 飛鳥(あすか):無数の氷が高速で飛び、刺し傷を与える。途中で、その氷を使って敵を囲んでもOKである。

幸と戦っていたら、終わりのベルが鳴った。

「林さん、今日、入隊希望書、貰うんだよね。どこにする?」
いつも通り、幸と話していたら、重要なことを思い出した。
入隊希望書。
どうしよう。何も考えてなかった。
「う~ん。決まってない。幸はどこにするの?」
「わたしは、第一希望が十三番隊。それから、五番隊で、八番隊かな。宮野くんは?」
「俺は九、七、十」
「へえ。だったらあたしは五、十、六にするよ。」

あたしの入隊希望書はこうなった。
氏名:林芳音
斬魄刀とその種類:如月 氷雪系&幻術系
第一希望:五番隊
第二希望:十番隊
第三希望:六番隊
試験日は三月九日。朝八時、修練場必着。

後少し、ほんの少し。
あたしの夢は叶いそう。
実力を発揮して、
死神に必ずなる。

「もうすぐだね、如月。」
あたしは眩しく光る如月を撫でながら囁いた。あたし達以外には、聞こえないような声で。

 

 

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