此処に来て一週間ほどたった。
あたしはあることが分かった。

みんなは、死ぬ前の記憶がない。
此処に来てからのことしか覚えていない。
だからこそ、楽観的であった。

あたしは孤独だった。

現世では、死ぬということは、よく言えば、安らかな眠りに着き、楽になれるということだった。

それは間違い。
此処は決して楽ではない。

むしろ、此処のほうが厳しかった。

お腹が空くのに、お金はびた一文ないし、周りの人達は何も食べない。
千歩譲って、お金があるとしても、売店がなかった。
驚いた。

此処の人は何も食べないの?
何も覚えてないの?
思い出せないの?
それとも……思い出したくないの?

さまざまな疑問があたしを駆け巡る。
訊く勇気、そんなのあたしにはなかった。

そんなある日、あたしはある人に出会った。

夢で。

 

 

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