たつきちゃんが気絶してしまった。


虚と死神の霊圧のせいだろうか。それとも、あたしの霊圧のせい?

三天結盾でたつきちゃんは無傷だったけど、倒れこんでしまったたつきちゃんをあたしは安全な所にはこんだ。どこかは、緊急事態で焦っていたせいか、思い出せない。

たつきちゃんをおいて、あたしは状況を見に行こうとした。でも、霊圧のある人は虚の襲われやすい、と分かってたから、結界を張った。(火無菊、梅厳、リリーで)そして、外に出た。


虚の数にあたしは絶句した。乱菊さん達が見えないくらい、多かった。

「乱菊さん!」

かすかに聞こえるのは死神達が斬魄刀の解号を唱えている声だけ。あとは虚の叫び声で聞こえなかった。

「唸れ…灰猫!」
「走れ…凍雲!」
「みんながんばって!」

時折、やちるちゃんの声も聞こえてきたが…
乱菊さんの蜂蜜色の髪が波打っているのがちらちらと見えた。


......


灰が舞って、氷が迫って、剣が見えて、消えていく虚が目の前にあって、隙から死神が現れた。
長い間が経ったように思えた。時間が止まっているようだった。一瞬にして終わった。虚がすべて消えた。凍ってるのもあったし、灰にまみれて見えないのもあった。そのまま仮面が割れて消えたのもあるし、蜂紋花の痕があるのもあった。でも、みんな一瞬にして消えた。
あたしは呆然と立ち尽くすことしか出来なかった。


「ふう、終わった終わった。」
何事もなかったかのように乱菊さんが義骸に入った。

「つかれたから、朝ごはんはちゃんと食べないと。」
「わたしはおかゆでいい。」
「ええ!姉さん、今日くらいはちゃんと食べないと。」
日常的な会話が飛び向かう。あたしはなんだか安心した。

「朝、アイスクリームが出るといいな。お酢をかけるとなんかすごくおいしいんだよ。」
あたしが言った。すごい目線をくらったけど、なんかうれしくて、ルンルン気分!やっぱりあたしって、回復するのが速いんだ。きっとそうだ。

それより、なんか今日のあたし、朝から暗くない?ごめんね。

「ってあたし暗っ」
口に出して言ってみた。ついでに顔と手もつけた。
「織姫、大丈夫?」
目を覚ましたたつきちゃんが心配そうにあたしを見た。

「大丈夫だよ、さっきは乱菊さん達が…」
「その方じゃなくて、いきなりおおげさに「あたし暗っ」って言うからどうかしたかと思ったよ。」
「へ?大丈夫だよ。なんかたつきちゃん、気にしすぎてるよ。」

「そうか、だったら早速、さっきの話の続きを…」
言い終わらないうちにあたしと乱菊さんは一目散に駆け出した。
「待て!」
怒号が響いた。
「待てないよ!」
あたしが笑いを抑えながら言った。

 

 

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